7-8. 大腸菌用ファージベクター
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1) λファージ系クローニングベクター
λファージのゲノムの中央部分を欠失させ、適当な制限酵素認識部位を導入したものがクローニングベクターの基本構造
e.g. Charon4, EMBL3
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多くのクローニング部位を利用できるものの、lacZをもちX-galプレートで青白選択ができるもの、recA-菌で選択できるものなどがある
CharonシリーズベクターでA記号が付いているものはアンバー変異をもつため、サプレッサーtRNA(アンバーナンセンスコドンに適当なアミノ酸を指定して、アンバー変異を抑えるtRNA)をもつ菌でしか増殖することができない
パッケージングサイズ(ファージ殻内に組み込めるDNAのサイズ)に上限と下限があるため、組込めるDNA断片の長さには制限がある
2) 発現可能なλファージクローニングベクター
cDNAライブラリー作製用ファージベクターのなかには、lacZ内部に組込まれたインサートからβ-gal融合タンパク質をつくれるものがある
コード領域が直に連結されると、3分の1の確率で融合タンパク質ができる
λ gt11は7.2 kb以下のcDNAが挿入できる
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λ ZAP IIはプラスミドのpBluescript SK (-)がλ内に入った形をもつ
3) M13ファージベクター
M13ファージベクター利用の主目的は、プラスミドであるRF(複製中間体)を加工して、一本鎖DNAを得ること
使われているベクターはM13mp系といい、内部にpUC系と同じシリーズのMCSをもつlacPOZカセットがあり、青白選択ができる
λファージ由来ベクターと違い、挿入DNAのサイズには制限がない